電車や飛行機、カフェのような騒がしい場所で、周りの音を消して音楽や動画に没入したい――。そう思ってワイヤレスヘッドホンを探すと、たいてい高性能モデルは3万円、4万円と一気に高くなる。僕もそこで毎回ためらってきた。
そんな中で「ノイズキャンセリングの強さ」と「価格の手頃さ」のバランスがずば抜けているのが、Anker Soundcoreのハイエンドヘッドホン、Soundcore Space One Proである。
先に結論を言っておく。Space One Proは、5万円クラスのハイエンドに迫るノイズキャンセリングを、実売2万円前後(セール時はさらに下)で手に入れられる、コスパ最強クラスの1台だ。ノイキャン重視で、通勤・出張・在宅ワークに使うヘッドホンを探しているなら、まず候補に入れて間違いない。
一方で、約287gという重さや、防水がない点、ハードケースが付属しない点など、価格なりに割り切られた部分もある。このあたりも正直に書いていく。
なお本記事は、メーカー公式情報と実際のユーザーレビューをもとに、僕がまとめたレビューだ。ノイキャンの効き方や音質、装着感には個人差がある点は先に断っておく。
【まずは基本スペック】
細かいレビューの前に、スペックをざっと整理しておく。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Soundcore Space One Pro(型番A3062N11/A3062N21) |
| タイプ | ノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホン(オーバーイヤー) |
| ドライバー | 40mm 三層構造複合振動板ドライバー(歪み率3%未満) |
| ノイズキャンセリング | ウルトラノイズキャンセリング3.5(6センサー/毎分180回検知) |
| 外音取り込み | 対応・5段階調整 |
| 通信方式 | Bluetooth 5.3(AVRCP/HFP/A2DP) |
| 対応コーデック | SBC/AAC/LDAC |
| 立体音響 | Dolby Audio対応 |
| 再生時間 | 通常最大60時間/ノイズキャンセリング時最大40時間 |
| 短時間充電 | 約5分の充電で最大8時間再生 |
| 充電時間 | 約2時間 |
| 充電端子 | USB Type-C |
| 有線入力 | 3.5mm AUX |
| マルチポイント | 最大2台 |
| その他 | Google Fast Pair/HearID 2.0/22種類のプリセットEQ |
| 本体サイズ/重量 | 約175×90×190mm/約287g |
| カラー | ミッドナイトブラック/シャンパンゴールド |
| 公式販売価格 | 26,990円(税込・記事作成時点) |
| 保証 | 通常18か月+Anker会員登録後6か月延長 |
2024年10月に発売された、Soundcore初の“Pro”を冠したフラッグシップヘッドホンだ。ノイキャン・音質・バッテリー・通話・携帯性まで、全部入りに近い。
【価格:定価は26,990円。でも“実売”を見てほしい】
このヘッドホンを語るうえで、価格は避けて通れない。
公式の定価は26,990円(税込)。数字だけ見ると「ミドルクラスなのにやや高め」と感じるかもしれない。実際、レビューでも「定価は高い」「同じSoundcoreなら約15,000円のSpace Q45のほうがコスパは上」という声はある。
ただ、ここがポイントだ。**Space One Proは、セールでの値引きがとにかく大きい。**ユーザーレビューを見ると、新生活セールで約17,000円、Amazonのブラックフライデーでは約50%オフ、といった声がずらりと並ぶ。実売2万円前後、タイミング次第では1万円台で手に入るモデルなのだ。
この“実売価格”を基準に考えると、評価は一変する。5万円クラスのハイエンドに迫るノイキャンが1万円台〜2万円で買えるなら、コスパは文句なしにトップクラス。定価で急いで買うより、セールを狙うのが賢い買い方だと僕は思う。
【ノイキャン:Soundcore最強、ソニーに迫るという声も】
Space One Proの主役は、なんといってもウルトラノイズキャンセリング3.5だ。6つのサウンドセンサーで周囲の騒音を毎分180回検知し、環境や装着状態に合わせて自動で強度を調整してくれる。電車から静かなオフィスへ移動しても、いちいち設定を変える必要がない。
そして評判がとにかく高い。レビューでは**「ソニーのフラッグシップWH-1000XM5に迫る、いや勝るという意見もあるほど強力」「5万円クラスと同等のノイキャンをミドル価格で買える」**といった評価が目立つ。電車や飛行機の走行音・エンジン音のような連続的な低音は、しっかり静まる。
ただし過度な期待は禁物だ。ノイキャンが得意なのはあくまで継続的な低〜中周波の騒音で、人の話し声やキーボード音のように不規則な音は残りやすい。人の声も“完全に消える”わけではない、という点は押さえておこう。
自動調整が強すぎて圧迫感を覚える人は、アプリで5段階から手動調整もできる。
【音質:低音は力強い。実は“映画向き”という声も】
音質は、40mmの三層構造複合振動板ドライバーが担う。PEEKとPUを組み合わせた振動板で歪み率を3%未満に抑えており、低音を強く出しても中高音が埋もれにくい。
Soundcoreらしく初期設定は低音が力強めだ。ポップスや映画では迫力が出る一方、クラシックやアコースティックだと「低音が強い」と感じることもある。そこはアプリの22種類のプリセットEQやカスタムEQで自分好みに追い込める。
面白いのが、ユーザーの間で**「音楽より映像作品向き」**という評価が出ていることだ。あるレビューでは「最初は音質に期待ほどでは、と感じたが、映画など人の声との相性が良いと気づいてから気に入った。クリアというより厚みのある音」といった声もあった。ライブや映画を、Dolby Audioの3Dオーディオと合わせて楽しむ使い方はかなりハマる。
【LDAC対応。ただしiPhoneとマルチポイントに注意】
対応コーデックはSBC/AAC/LDAC。LDAC対応のAndroid端末(Android 8.0以降)と組み合わせれば、情報量の多いハイレゾ相当の再生ができる。利用にはSoundcoreアプリで「オーディオ品質優先」をオンにする必要がある。
ここで2つ注意点。まずiPhone・iPadはLDAC非対応で、iOSではAAC/SBC接続になる。そしてもう一つ、LDACとマルチポイント(2台同時接続)は同時に使えない。高音質を取るか、切り替えの便利さを取るか、場面で選ぶ形だ。
【装着感と携帯性:もちもちパッド、でも側圧はやや強め】
イヤーパッドは柔らかい低反発クッションで、レビューでも「もちもちで装着感が良い」と評判は上々だ。ヘッドバンド内部が5つの部位に分かれて各5〜8度動くFlexiCurve構造で、頭の形にフィットしやすい。
ただ、**「側圧はやや強め」「長時間だと若干の圧迫感がある」**という声も一定数ある。頭が大きめの人やメガネをかけている人は、できれば試着してから買うのが安心だ。
携帯性はこのヘッドホンの強み。FlexiCurve構造でイヤーカップを畳むと、従来のヘッドホンの約50%までコンパクトになる。オーバーイヤーの弱点である“かさばり”をしっかり潰していて、出張や旅行のバッグ収まりがいい。
一方で、付属するのは柔らかいトラベルポーチのみ。ハードケースは付いてこない。約27,000円のモデルなのにソフトケースだけなのは残念、という声もあった。衝撃からしっかり守りたいなら、別売りの公式ケースを検討したい。
なお夏場はオーバーイヤーの宿命で耳が蒸れやすい。こまめに外して休ませよう。
【バッテリーと充電:ここは文句なし】
バッテリーは間違いなくトップクラス。ノイキャンオフの通常モードで最大60時間、オンでも最大40時間再生できる。1日3時間使っても2〜3週間は充電いらずの計算で、出張や旅行と相性が抜群だ。
さらに約5分の充電で最大8時間使える短時間充電に対応。満充電は約2時間だ。「充電を忘れた朝でも、身支度の間に一日分戻せる」のは地味に効く。
一点だけ注意。充電中はBluetoothで使用できない。バッテリーが切れたら短時間充電するか、付属のAUXケーブルで有線接続しよう。AUX接続中なら、充電しながら音を聞くことも可能だ。
【通話・在宅ワーク:4マイクAIノイズ低減が優秀】
通話用に4つのマイクを搭載し、AIが雑音と声を判別して相手にクリアな声を届ける。ZoomやTeamsのオンライン会議でも使いやすい。マルチポイントでPCとスマホを同時接続しておけば、会議中にスマホの着信へ切り替える、といった動きもスムーズだ。
サイドトーンにも対応していて、密閉型で起きがちな「自分の声が聞こえず大声になる」問題も抑えられる。ただ、強風や騒がしい場所では雑音が乗ることもあるので、重要な配信・録音には専用ヘッドセットのほうが向く。
なお有線(AUX)接続時はNCボタン以外のボタンと内蔵マイクが使えず、再生・音量操作は接続機器側から行う形になる。ノイキャンと外音取り込みはAUX接続中でも使える。
【実際に使っている人の声まとめ】
Amazon・楽天・Anker公式ストアのレビューを見比べて、傾向をまとめておく(いずれも要約・個人の感想であり、感じ方には個人差がある)。
良い評価
- ノイキャンが強力で、ソニーのハイエンドに迫る/勝るという声もある
- 有線接続でもノイキャン・外音取り込みが使えるのが便利
- イヤーパッドがもちもちで装着感が良い
- 映画など人の声・映像作品との相性が良い、厚みのある音
- セールで安く買えて、色も普段使いも満足
気になる評価
- マルチポイントで割り込みが入ると音楽の再生が止まることがある
- 側圧がやや強め。長時間だと圧迫感を覚えることも
- ハードケースが付かず、ソフトケースのみなのが惜しい
- 音質は“クリア”というより低音・厚み寄りで、好みが分かれる
- 定価は高め(※実売はセールで大きく下がる)
【メリット・デメリットまとめ】
メリット
- Soundcore最強クラスのノイズキャンセリング3.5(6センサー・毎分180回検知)
- 歪みを抑えた40mm三層振動板ドライバーで、迫力とクリアさを両立
- LDAC+Dolby Audio対応で、ハイレゾも3Dオーディオも楽しめる
- FlexiCurve構造で約50%まで折りたため、持ち運びやすい
- 通常最大60時間・ノイキャン時最大40時間の長時間バッテリー
- 5分充電で最大8時間の短時間充電
- 2台同時接続・Google Fast Pair・HearID 2.0など機能が豊富
- 4マイクAIノイズ低減で通話・Web会議もクリア
- AUX有線接続にも対応
- セール時は実売1万円台〜と、コスパが非常に高い
デメリット・注意点
- 約287gと軽量級ではなく、長時間だと重さ・側圧を感じることがある
- 定価26,990円は高めに映る(実売はセールで大きく下がる)
- LDACとマルチポイントは併用できない
- iPhoneではLDACが使えない
- 防水規格がなく、運動・雨天・水回りには不向き
- ハードケースは付属せず、トラベルポーチのみ
- 充電中はBluetoothで使用できない
- AUX接続時はマイクと多くのボタンが使えない
- 夏場はイヤーパッドが蒸れやすい
- 低遅延のゲームモードは非搭載
【総合評価】
Soundcore Space One Proは、ノイズキャンセリング・音質・バッテリー・携帯性を高い水準でまとめた、Soundcore最上位のヘッドホンだ。とりわけノイキャンの強さは、5万円クラスのハイエンドに迫ると評されるほど。それが実売2万円前後(セールならさらに下)で買えるのだから、コストパフォーマンスは頭ひとつ抜けている。
約287gの重さ、防水なし、ハードケース非付属、充電中はワイヤレス不可――といった割り切りはあるものの、通勤・出張・在宅ワークで使うぶんには、どれも致命傷にはならない。
「強力なノイキャンを、できるだけ賢い価格で持ち歩きたい」「イヤホンではなく、耳を包むヘッドホンで没入したい」という人には、いま最も推しやすい1台だと僕は思う。買うなら、セールのタイミングを狙ってほしい。
総合評価:4.6/5.0
- ノイズキャンセリング:4.8/5.0
- 音質:4.7/5.0
- 低音:4.7/5.0
- 装着感:4.6/5.0
- 携帯性:4.6/5.0
- バッテリー:4.9/5.0
- 通話性能:4.4/5.0
- アプリ機能:4.8/5.0
- 操作性:4.5/5.0
- コストパフォーマンス:4.7/5.0
※価格・カラー・在庫・ファームウェア・アプリ機能・製品仕様は変更される場合があります。特にセール価格は時期によって大きく変動しますので、購入前に公式販売ページで最新情報をご確認ください。
※再生時間は、音量・ノイズキャンセリング・コーデック・Dolby Audio・通話・使用環境などによって異なります。
※ノイズキャンセリングの効果、音質、側圧、装着感には個人差があります。
※本文中のユーザーの声は、公開されているレビューの傾向を要約したものであり、個人の感想を含みます。感じ方には個人差があります。


