ジェットヘルメットとして使っているのが、コミネの「HK-172 FL コンポジット FRP ジェットヘルメット」だ。カラーはパールホワイト、サイズはXL。現在も使っている。
先に結論を書く。僕の実測頭囲は61cm。XLを買ったが、かぶってみるときつかった。何回も使える感じのきつさではなかったので、内装だけを2XLに交換した。
ややこしいのは、実店舗で試着したときはちょうどよかったということだ。だから買った。使い込めば馴染むだろうとも思っていた。それでも駄目だった。この記事は、その話が中心になる。

【スペック】
| 製品名 | コミネ HK-172 FL コンポジット FRP ジェットヘルメット |
| メーカー品番 | 01-172 |
| 帽体 | 先進複合FRP(ガラス繊維強化プラスチック) |
| 規格 | SG規格適合(自動二輪車用)/PSCマークあり |
| 届出事業者 | 株式会社コミネ |
| 登録検査機関 | 一般財団法人日本車両検査協会 東京検査所 |
| 顎紐 | ドイツFIDLOCK社製マグネットバックル(国際特許取得)/25mm超高密度ベルト |
| シールド | 紫外線94%カットの特殊加工 |
| インナーバイザー | 標準装備 |
| 内装 | 3D衝撃吸収&エアフローライニング/取り外して洗濯可能 |
| その他 | エアベンチレーション、リフレクター装備、チンガード着脱可能 |
| サイズ展開 | M/L/XL |
【試着でちょうどよかったのに、なぜきつかったのか】
ここが今回いちばん学んだところだ。
実店舗で試着したときの感触は「ちょうどいい」だった。ヘルメットは緩いほうが危険だと知っていたので、多少の締めつけは正しいフィットだと判断した。内装は使ううちに沈んで馴染むとも言われている。だから問題ないと思った。
ところが実際に使うと、何回もは使えない感じのきつさだった。
理由を考えると、答えは単純だと思う。試着は数分で、実使用は数十分から数時間だからだ。
締めつけによる不快感は、時間に比例して効いてくる。最初の数分では「ちょっときついかな」で済むものが、30分後には痛みになる。店頭の数分で判断できるのは「形が合っているか」であって、「その圧力に何時間耐えられるか」ではない。
そしてもうひとつ。「馴染んで緩くなるきつさ」と「最初から無理なきつさ」は、試着の数分では区別がつかない。どちらも同じ「ちょっときつい」として感じられる。僕はここを読み違えた。
数字の上では、頭囲61cmはXLの範囲に収まるはずのサイズだった。それでも合わなかったのは、頭の大きさが周囲の長さだけで決まらないからだと思う。同じ61cmでも、丸い頭と前後に長い頭では当たる場所が変わる。周囲の数値は目安にしかならない。
【ヘルメットごと買い替えずに済んだ理由】

ここがこの製品を選んでよかったと思っている点だ。
コミネはHK-172用の交換用内装を別売りしていて、そこに2XLがある。僕はヘルメット本体を買い直さず、内装だけを2XLに交換した。それでかぶれるようになった。
仕組みを整理しておく。ヘルメットの内寸は、外側のシェルと、内側の内装の厚みの組み合わせで決まる。シェルは同じでも、内装が薄くなれば内寸は広がる。だから同じ帽体のまま、内装のサイズを変えることで頭囲の違いに対応できる。
面白いのは、HK-172本体のサイズ展開はM/L/XLまでなのに、交換用内装には2XLが用意されているという点だ。つまりメーカー側が「XLの帽体に2XLの内装を入れる」という組み合わせを想定していることになる。頭囲がXLの上限付近にある人は、本体XL+内装2XLが正解になりうる。
この解決策の価値は金額に出る。ヘルメットごと買い直せば数万円だが、内装なら数千円で済む。サイズ選びを間違えたときの損失が、桁で変わる。
だから僕は、これを製品選びの基準として覚えておくべきだと思っている。「合わなかったときに内装だけ交換できるか」は、スペック表には載らないが、実は重要な選定基準だ。ヘルメットは試着だけで完全には決められない道具なので、外したときの逃げ道があるかどうかが効いてくる。
なお、交換するなら必ずそのヘルメット用の純正内装を使うこと。内装は頭を保持する部分なので、合わないものを詰めたり削ったりするのは論外だ。
【マグネットバックルは想像以上に効く】

顎紐の留め具に、ドイツFIDLOCK社製のマグネットバックルが使われている。コミネによれば、日本メーカーとして初めて顎紐に採用したものだという。
留めるときは近づけるだけで磁力が引き寄せて固定される。外すときは赤いタブを引く。この「留めるのは片手で一瞬、外すのは意図的な動作が要る」という非対称が、よくできていると思う。
従来のDリング式は、紐を輪に通して折り返すという手順が要る。グローブをしたままだと、指先の細かい操作が効かない。ここが片手で済むかどうかは、ヘルメットを脱いだりかぶったりする回数が多いほど効いてくる。
磁石で留まると聞くと不安に思うかもしれないが、この方式は国際特許を取得したもので、25mmの超高密度ベルトと組み合わされている。SG規格に適合し、PSCマークも付いた製品として販売されている。
【インナーサンバイザーとシールド】

インナーサンバイザーが標準装備されている。レバー操作で内側から濃色のバイザーが下りてくる仕組みだ。
これは「サングラスを持ち歩かなくていい」という装備だと理解している。西日に向かって走るときに、ヘルメットを脱がずに切り替えられる。サングラスをかけたままヘルメットをかぶると、つるが当たって痛くなることがあるので、その問題自体が発生しない。
外側のシールドには紫外線を94%カットする加工がされているとされている。こちらは透明なので、明るさは落とさずに紫外線だけ減らす役割になる。
【弱点・注意点】
- サイズ選びが難しい。頭囲の数値が合っていても、頭の形で当たり方が変わる
- 試着でちょうどよくても、長時間かぶるときついことがある。僕がこれで外した
- 本体のサイズ展開はXLまで。それより大きい人は内装で調整することになる
- 交換用内装は別売り。サイズを外すと追加出費になる
- ジェットタイプなので顔の下半分は守られない。フルフェイスとは前提が違う
- 白は汚れが目立つ。被視認性とのトレードオフになる
2つ目については、もう少し踏み込んで書いておきたい。「きつければ緩くなるのを待つ」という判断は、ほどほどにしたほうがいい。痛みが出るレベルのきつさを我慢して使い続けても、快適になる保証はない。僕は早めに内装を替えたことで、結果的に使い続けられている。
【向いている人/向いていない人】
向いている人
- ヘルメットを脱いだりかぶったりする回数が多い人(マグネットバックルが効く)
- 日差しの強い時間帯に走る人(インナーサンバイザー)
- グローブをしたまま顎紐を操作したい人
- 頭囲がサイズの境目にあって、後から調整したい人
- 内装を洗って清潔に保ちたい人
向いていない人
- 顔全体の保護を優先する人(フルフェイスを選ぶべき)
- 試着せずに通販だけで決めたい人
- 頭囲がXLの上限を大きく超える人
- 汚れの目立たない色にしたい人(カラーは選べる)
【まとめ】
HK-172は、FRPシェル、インナーサンバイザー、マグネットバックルといった装備がひと通り入っている。SG規格に適合し、PSCマークも付く。装備としては不満がない。
ただ、僕がこの製品で得た一番大きな学びは、装備の話ではなかった。ヘルメットは、店頭で数分かぶっただけでは決められない道具だということだ。試着で分かるのは形であって、時間ではない。
そして外したときに、内装だけ交換できるという逃げ道があった。これに救われた。本体を買い直せば数万円のところ、数千円で収まっている。
だからヘルメットを選ぶときは、スペックと一緒に「このメーカーは別サイズの内装を単品で売っているか」も見ておくといい。試着で完全に決められない以上、外したあとのことまで含めて選ぶのが現実的だと思っている。
※本記事は、僕が実際に購入して使用している製品について書いています。スペックはコミネおよび販売各社が公表している情報に基づきます。
※ヘルメットは乗車用の保安部品です。サイズが合っていないヘルメットは、事故の際に本来の性能を発揮できないおそれがあります。必ず販売店で試着し、フィッティングの確認を受けたうえで選んでください。
※内装の交換は、そのヘルメット専用の純正部品をご使用ください。他機種の部品の流用、詰め物の追加、内装の加工などは、保護性能を損なうおそれがあります。
※かぶり心地やサイズの感じ方には個人差があり、頭の形状によって大きく変わります。本記事の記述は僕個人の感想であり、同じサイズが合うことを示すものではありません。
※強い衝撃を受けたヘルメットは、外観に損傷がなくても使用を中止してください。
※価格・仕様・カラー展開・サイズ展開・交換部品の設定は変更される場合がありますので、購入前に販売ページおよびメーカーの最新情報をご確認ください。
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