ランニング中に音楽は聴きたい。でも、車や自転車の接近音が聞こえないのは怖い——このジレンマを何年も抱えていた僕が、最終的にたどり着いたのが骨伝導イヤホンだった。中でもShokz(ショックス)のフラッグシップ、OpenRun Pro 2は「耳を塞がない安全性」を守ったまま、音の満足度を一段引き上げた一台。結論から言うと、これは屋外スポーツと“ながら聴き”の、いまいちばん勧めやすい実用解だった。
「結論」耳を塞がず、低音まで鳴る。安全と音を両立した実用解
先に僕の結論をまとめておく。
- DualPitch(骨伝導+空気伝導)で、従来の骨伝導が苦手だった低音を克服
- 12時間再生+5分充電で2.5時間のクイックチャージでバッテリー不安なし
- 耳を塞がないから車・自転車・人の気配を聞き逃しにくい
- ただし①大音量時の音漏れ②遮音ゼロは開放型のトレードオフ
「周囲確認を最優先したいランナー・サイクリスト」にドンピシャ。まず一番の進化ポイントから見ていこう。
OpenRun Pro 2のキモ|DualPitchハイブリッド・ドライバー
Pro 2最大の進化が、シリーズ初のデュアルドライバー構成「DualPitch」だ。骨伝導ドライバーが中高域の輪郭を、18×11mmの大型空気伝導ドライバーが低域の量感を担当する。骨伝導だけでは出しにくかった“ベースの土台”が加わって、キックの着地点やベースラインが掴みやすい。
ここは実ユーザーの評価がとにかく高い部分で、「前作は低音を出そうとすると音が団子になって本体もブルブル振動したが、Pro 2は低音がちゃんと“音”として聴こえる」「ボリュームを上げても振動しないので驚いた」という声が目立つ。前作OpenRun Proを“低音を欲張って高音のクリアさが犠牲になった”と評価していた辛口レビュアーも、Pro 2は明確に評価を変えている。骨伝導特有の“ブルブル感”がほぼ消えたのは、長時間つける人ほど効いてくる進化だ。
デザイン・装着感|チタン×シリコンの安定フィット
- 重量:約30.3g。首後ろを回るネックバンド型で、走っても跳ねにくい
- 素材:形状記憶合金(Ni-Ti)フレーム+シリコン被覆。適度な反発で頭の形に追従
- サイズ:スタンダード/ミニの2サイズ展開
- 操作系:側面に物理ボタン。グローブ装着でも押しやすい突出形状
公式によると、前世代比で締め付け力(クランプ力)を16%軽減している。この数字は伊達じゃなくて、ユーザーからも「2時間以上のロングランでも圧迫感やムレを感じにくい」「メガネやキャップと干渉せず、つけているのを忘れる軽さ」という声が多い。こめかみの当て位置は頬骨の少し前に“平らに”当てるのがセオリーで、ここがズレると低域が痩せるので覚えておくといい。
音質と使いみちの実感
- ラン&ライド:足音・ギア音・周囲音を聞き取りつつ、中高域でテンポが取りやすい。低域は“ドン”と鳴らし切るより、輪郭の分かる量感をプラスするタイプ
- 音声コンテンツ:ポッドキャストや語学学習の明瞭さは骨伝導の得意科目。子音が立って聞こえる
- 音漏れ:開放構造ゆえ、静かな室内で大音量だと近距離に漏れる
音漏れについては正直に書いておく。ユーザーの実感として「音量70%程度なら隣の人にはほぼ聞こえないが、完全に静かな環境や図書館ではやや気になる」というのが実態だ。音量は“環境音が明瞭に聞こえる最小限”が基本。これは安全運用の観点でも同じで、屋外では小さめが鉄則になる。
バッテリーと充電|12時間+5分/2.5時間+USB-C
- 連続再生:最大12時間(前作Proは10時間だったので着実に向上)
- 急速充電:5分の充電で約2.5時間の再生
- 満充電:約60分
- 端子:汎用のUSB-C。前作までの専用マグネット端子から卒業
この急速充電が本当に便利で、ユーザーからも「走る直前に残量不足に気づいても、準備体操しながら3分待てば1時間半は余裕」という声がある。僕も「家を出る5分前に差す」で1〜2本のランに十分足りている。USB-C化で他のガジェットとケーブルを共通化できるのも、地味だが日々効いてくる改善だ。
接続・機能|Bluetooth 5.3、マルチポイント、EQ
- Bluetooth:バージョン5.3(通信距離10m)。屋外でも掴み良好
- マルチポイント:2台同時待受に対応(スマホ+PCなど)
- EQ:Shokz Appで4つのプリセットEQ+2つのカスタムモードを設定可能
- その他:ファーム更新、ガイダンス設定にもアプリ対応
ラン前はスマホ、デスクではPC、という切り替えが電源ONだけでつながるマルチポイントは、在宅ワークと運動を両立する人にとって想像以上に快適。EQは曲調やコンテンツで使い分けると満足度が上がる。なお公式アプリで「プライベート」EQモードにすると、音漏れをさらに軽減できる(ファーム更新が前提)。
通話・マイク|AIノイズキャンセリングと風耐性
マイクはAIノイズキャンセリング+風耐性設計(風速約25km/hまで対応)を備える。ラン中の短い受話なら十分で、ユーザーからも「外にいるのに声がはっきり聞こえると驚かれた」という声がある。ただし、規定を超える強風や車通りの多い場所ではノイズを拾いやすくなるので、口をマイク側に少し寄せる・風裏に入るといった工夫は活きる。会議で常用するなら、マイク特化のOpenComm系と使い分けるのがスマートだ。
耐汗・耐水・耐久|IP55と素材のタフさ
- 耐水等級:IP55(汗・小雨・水しぶき)。水没は不可で、プールやシャワー・サウナは非推奨
- フレーム:形状記憶合金で折り曲げても復元しやすく、携行性良好。ポーチ付属
雨のジョグ程度なら問題ない。使用後は汗や皮脂を拭き取って自然乾燥を。空気伝導用のベント(開口)に水が入らないよう、流水での丸洗いは避けるのが無難だ。
サイズ選びと装着チューニング
- 標準orミニ:頭囲が小さめ・後頭部の浮きが気になる人はミニを検討。首の干渉が減る
- 当て位置:こめかみの前(頬骨)に“平らに”当てる。ズレると低域が痩せ、振動が増えがち
- 音量:屋外は小さめに。「環境音>自分の再生音」が安全運用の基本
兄弟機との比較(どれを買う?)
- OpenRun(無印):より軽量でIP67。低域は控えめだが軽快。汗・雨重視や軽さ優先の人に
- OpenRun Pro 2(本機):12時間+低域強化+USB-C。ラン&ライドの“安全×音の満足度”のバランスが最良
- OpenFit(空気伝導):耳掛け型で音の厚みは出しやすいが、風切り・フィットは運動内容で好みが分かれる
向いている人・向かない人
向いている人
- 屋外スポーツで周囲確認を最優先するランナー/サイクリスト
- 音声学習・ポッドキャストの明瞭さを重視する人
- USB-C共通化・急速充電で充電の段取りを減らしたい人
向いていないかも
- 静かなオフィスで大音量再生したい人(音漏れ懸念)
- 重低音で没入したい人(カナル/密閉型が適任)
- 完全防水や水泳用途の人(OpenSwim系が対象)
スペック早見表
- ドライバー:骨伝導+空気伝導(DualPitch/空気伝導は18×11mm大型)
- 感度:空気伝導96dB±2.5dB/骨伝導101.3dB±3dB
- 連続再生:最大12時間/急速充電5分=約2.5時間/満充電約60分
- 防塵防水:IP55(汗・小雨。水没不可)
- 重量:約30.3g
- 接続:Bluetooth 5.3(マルチポイント対応)
- EQ:4プリセット+2カスタム(Shokz App)
- 充電端子:USB-C
- 付属:収納ケース、USB-Cケーブル ほか
よくある質問(FAQ)
Q. シャワーやプールで使える?
NGだ。IP55は汗・小雨まで。水没・温水・海水・サウナは不可。
Q. 2台同時に繋げる?
マルチポイントでスマホ+PCなど2台同時待受に対応する。電源ONだけで切り替わるのが快適だ。
Q. サイズはどう選ぶ?
頭囲が小さめならミニがフィットしやすい。試着できるなら首後ろの浮きをチェックしよう。
Q. 眼鏡や帽子と併用できる?
ほとんど問題ない。こめかみの当て位置を微調整すると干渉を避けやすい。
Q. 前作OpenRun Proと何が違う?
DualPitchで低音と“振動の少なさ”が大きく改善。再生時間も10→12時間に向上し、充電がUSB-C化された。
まとめ|“安全×快適”の実用解
実際に走り込んで使った僕の結論として、OpenRun Pro 2は「耳を塞がない安全性を守ったまま、音の満足度と運用のしやすさを一段引き上げたフラッグシップ」だった。
- DualPitchで低音不足と“ブルブル振動”を克服
- 12時間+5分/2.5時間の急速充電でバッテリー不安なし
- 締め付け16%軽減とUSB-C化で、装着も運用も快適に
- ただし「大音量時の音漏れ」「遮音ゼロ」は開放型の宿命
重低音に没入したいならカナル型のほうがいい。でも、周囲の音を聞きながら安全に走りたい・ながら聴きしたいという人にとって、これは現時点で最も勧めやすい一台だと思う。安全と音楽性を天秤にかけて悩んでいるなら、まずここを試せば間違いない。
仕様・価格は変動するため、最新情報は必ずメーカー公式サイトでご確認ください。屋外での使用時は、交通の音が聞こえる音量に調節し、地域の法令に従ってご使用ください。


