AirPods 4は、日常使いに最適化された“オープンイヤー型”の最新AirPods。最大のトピックは、同じ外観・装着感をベースに2つのモデル(標準/アクティブノイズキャンセリング対応)を用意したことです。AppleシリコンH2チップを搭載し、パーソナライズされた空間オーディオ、ボイスアイソレーション、Siriへのヘッドジェスチャー操作(Siri Interactions)など、普段づかいの快適さが大きく進化。ケースはUSB-C充電に対応し、ANCモデルのケースはワイヤレス充電(Apple Watch充電器/Qi)にも対応します。本稿では、装着感・音質・ノイズ制御・通話品質・バッテリー・防滴防じん・使い勝手まで、レビュー形式で詳しく解説します。
- 総評(先に結論)
- ラインナップ|標準モデルとANCモデル、どちらを選ぶ?
- デザインと装着感|より多くの耳に“自然におさまる”新形状
- 音質|低歪みドライバー×高ダイナミックレンジアンプ+Adaptive EQ
- ノイズ制御|オープンイヤーでANC。Adaptive Audioや会話感知も(ANCモデル)
- 通話・会議|ボイスアイソレーションで声がクリア。風・騒音にも強い
- 操作体験|“つまむ”と“うなずく/首を振る”で完結
- ゲーム体験|低遅延とクリアなボイスチャット
- バッテリー・充電|最大30時間、5分の急速で約1時間分復帰
- 防じん・耐汗・耐水|本体もケースもIP54でタフ
- 探す・紛失対策|ケースのスピーカー(ANCモデル)で所在がわかりやすい
- 接続・対応デバイス
- サイズ・重量(実測ではなく公称値)
- 使いこなしのコツ
- メリット・デメリット
- こんな人におすすめ/おすすめしない
- よくある質問
- まとめ
総評(先に結論)
- “耳をふさぎにくい”オープンイヤーでありながら、ANCモデルは環境騒音をしっかり抑制。外音に敏感なシーンでも音量を上げずに快適。
- H2チップの計算オーディオにより、音質も通話も一段とクリア。ボイスアイソレーションで騒がしい場所でも声が前に出る。
- フォースセンサー採用で“つまむ操作”が確実。ヘッドジェスチャーによるSiri操作も加わり、ハンズフリー性が向上。
- ケースがさらに小型化しつつ、合計最大30時間(条件により)のリスニング。5分の充電で約1時間再生の“保険”も便利。
- 本体・ケースともにIP54(防じん・耐汗・耐水)で日常使用に強い。
ラインナップ|標準モデルとANCモデル、どちらを選ぶ?
- AirPods 4(標準モデル):オープンイヤーらしい軽快さと開放感を重視。
・リスニング:片側最大約5時間/ケース併用最大約30時間
・通話:片側最大約4.5時間/ケース併用最大約20時間
・ケース:USB-C有線充電(コンパクト化) - AirPods 4(ANCモデル):オープンイヤー初のアクティブノイズキャンセリングに対応。
・リスニング:ANCオンで片側最大約4時間/オフで最大約5時間
・ケース併用:ANCオン最大約20時間/オフ最大約30時間
・ケース:USB-C+ワイヤレス充電(Apple Watch充電器/Qi)対応、Find My対応スピーカー搭載
迷ったら「普段の騒音がつらい」「小音量で聴きたい」人はANCモデル、屋外の安全確保や会話の自然さを最優先するなら標準モデルが好適です。
デザインと装着感|より多くの耳に“自然におさまる”新形状
AirPods 4は、内部構造と外観のカーブを最適化し、オープンイヤーの利点である軽快な装着感をさらに洗練。耳道を密閉しないため圧迫感が少なく、長時間でも疲れにくいのが美点です。ステム(軸)にはフォースセンサーを内蔵し、再生/一時停止や通話のミュート・終了などを“つまむ”だけで確実に操作できます。
音質|低歪みドライバー×高ダイナミックレンジアンプ+Adaptive EQ
Apple設計の低歪みドライバーと高ダイナミックレンジアンプの組み合わせで、量感に頼らず情報量で聴かせるバランス型。H2のAdaptive EQが耳内での実際の聴こえ方に合わせて低域・中域を自動調整し、ボリュームを上げなくてもディテールが立ちます。さらにパーソナライズされた空間オーディオ(ダイナミックヘッドトラッキング対応)により、映画・ライブ・ゲームで“音に包まれる”臨場感が楽しめます。
ノイズ制御|オープンイヤーでANC。Adaptive Audioや会話感知も(ANCモデル)
AirPods 4(ANCモデル)は、オープンイヤー設計で初めてアクティブノイズキャンセリングに対応。低周波の走行音や空調ノイズなどを中心に効果的に抑え込みます。外音取り込みの自然さも高く、Adaptive Audio(環境に応じてANCと外音取り込みをブレンド)やConversation Awareness(会話感知)で、切替操作の手間が大幅に減少。移動・買い物・オフィス内の行き来でも“ちょうどいい”聞こえ方に落ち着きます。
通話・会議|ボイスアイソレーションで声がクリア。風・騒音にも強い
複数のマイクとH2の計算オーディオにより、相手に届く声の明瞭度が高いのが印象的。屋外の風切り音や店内のざわめきでも、声の抜けが良く聞き取りやすい品質に。FaceTimeではAAC-ELDコーデックに対応し、グループ通話でも空間オーディオを活用できます。
操作体験|“つまむ”と“うなずく/首を振る”で完結
- フォースセンサー:再生・一時停止、通話の応答・終了、ミュートなど。
- Siri Interactions:通知に対してうなずく(はい)/首を振る(いいえ)で応答。移動中や手がふさがっている場面で効きます。
- Hey Siri・音声操作:音量調整、タイマー、メモ追加などがイヤホンだけで完結。
ゲーム体験|低遅延とクリアなボイスチャット
H2チップの低遅延伝送により、モバイルゲームでも映像と音の同期が良好。ボイスチャットの音質も向上し、チームプレイ時の指示が聞き取りやすく、伝えやすいのがメリットです(対応環境で16-bit/48kHzの音声チャットに対応)。
バッテリー・充電|最大30時間、5分の急速で約1時間分復帰
- 標準モデル:単体最大約5時間、ケース併用最大約30時間。通話は単体最大約4.5時間/ケース併用最大約20時間。
- ANCモデル:ANCオンで単体最大約4時間(オフで最大約5時間)。ケース併用でANCオン最大約20時間(オフで最大約30時間)。
- クイック充電:5分ケースに入れると約1時間の再生(または約45分の通話)が可能。
- 充電方法:両モデルともUSB-C。ANCモデルのケースはApple Watch充電器/Qiのワイヤレス充電にも対応。
“外出前にバッテリーがない!”という時も短時間で実用レベルまで戻せるのは大きな安心です。
防じん・耐汗・耐水|本体もケースもIP54でタフ
AirPods 4は本体・ケースともにIP54の防護等級を確保。汗や小雨、ホコリが混じる環境でも日常使用に耐える設計です(完全防水ではないため水没はNG/濡れた状態での充電は避ける)。
探す・紛失対策|ケースのスピーカー(ANCモデル)で所在がわかりやすい
ANCモデルのワイヤレス充電ケースにはスピーカー内蔵で、iPhoneの「探す」アプリから音を鳴らして見つけやすくなりました。日々の“どこ置いた?”のストレスを軽減します(標準モデルのケースはUSB-C有線充電で、スピーカーは非搭載)。
接続・対応デバイス
- Bluetooth 5.3対応。iPhone/iPad/Mac/Apple Watch/Apple TV/Vision Proなど最新OS環境での連携に最適。
- 非AppleデバイスでもBluetoothイヤホンとして使用可能(機能は一部制限)。
サイズ・重量(実測ではなく公称値)
- イヤホン(片側):約30.2 × 18.3 × 18.1mm/約4.3g
- 充電ケース(USB-C):約46.2 × 50.1 × 21.2mm/約32.3g(ANCモデルはケース重量がわずかに増加)
使いこなしのコツ
- まずは音量を低めに設定し、ANCモデルではAdaptive Audioをオン。屋外〜屋内の行き来が多い人ほど恩恵が大きい。
- 通話中心の人はボイスアイソレーションの有効化を確認。風の強い屋外でも相手に声が届きやすくなる。
- 濡れたら完全乾燥→充電の順を徹底。性能と安全性の維持に直結します。
- 「探す」を常時オンに。ANCモデルのケーススピーカーと組み合わせれば紛失時の発見率が向上。
メリット・デメリット
メリット
- オープンイヤーの軽快さと、ANCモデルの静けさを両立する新構成。
- H2チップで音質・通話品質・低遅延が着実に向上。操作もフォースセンサー+ジェスチャーで直感的。
- ケース小型化・USB-C化、最大30時間駆動、5分急速で約1時間の“復帰”。
- 本体・ケースともIP54でタフ。日常の取り回しが楽。
デメリット
- 遮音を最優先するならインイヤーのAirPods Pro系が依然有利。
- 標準モデルのケースはワイヤレス充電・ケーススピーカー非対応。
- 耳の形状次第で低域の量感が変化しやすい(オープンイヤーの特性)。
こんな人におすすめ/おすすめしない
- おすすめ:開放感と会話のしやすさを保ちつつ、必要に応じて騒音も抑えたい(ANCモデル)。軽さ重視でBGM的に聴きたい(標準モデル)。
- おすすめしない:音楽鑑賞で強い低音や完全遮音を求める人(AirPods Pro 3などのカナル型が適)。
よくある質問
Q. 標準とANCのどちらを選べばいい? A. 通勤・カフェなど騒音の多い環境が多いならANCモデル。屋外で周囲音の把握を優先するなら標準モデルが使いやすいです。 Q. バッテリー持ちは? A. 標準は単体最大約5時間/ケース併用最大約30時間。ANCモデルはANCオンで単体最大約4時間(オフで最大約5時間)、ケース併用はANCオン最大約20時間(オフ最大約30時間)。 Q. 防水ですか? A. 本体・ケースともIP54の防じん・耐汗・耐水に対応。水没は不可で、濡れた状態での充電は避けてください。 Q. ワイヤレス充電は? A. ANCモデルのケースはApple Watch充電器/Qi対応。標準モデルのケースはUSB-C有線充電です。
まとめ
AirPods 4は、オープンイヤー型の軽快さを保ちながら、ANCモデルで“静けさ”という新しい価値を加えた新世代のスタンダード。H2チップ由来の計算オーディオ、快適な装着感、ケース小型化とUSB-C化、IP54のタフさまで、日常の使いやすさが総合的に底上げされています。完全遮音や重低音を最優先しない限り、誰にでも勧めやすい万能機。2つのモデルから、あなたの生活に合う一台を選べば、音も会話も毎日がもっと快適になります。