Apple Watch SE 3レビュー|44mmを毎日つけて分かった、電池持ちとの付き合い方

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結論から書く。はじめてのApple Watchなら、これで問題ない。ただし電池持ちだけは、運用でカバーする前提になる。

Apple Watch SE 3は、Appleのスマートウォッチのエントリーモデルだ。上位のSeriesと比べて機能は絞られているが、常時表示ディスプレイ、温度センサー、高速充電、S10チップを備えている。

僕は44mmのGPSモデルを毎日使っている。睡眠計測まで含めて、ほぼ24時間つけっぱなしだ。この記事の写真もすべて実機のものになる。

先に要点を挙げておく。体調の管理は想像以上に細かくできる。振動アラームも優秀。一方で電池持ちは明確に課題で、そこは充電のタイミングを生活に組み込むことで解決している。


【基本スペック】

Apple Watch SE 3の44mmを腕に装着した状態。常時表示ディスプレイに時刻と天気が表示されている
44mmを装着した状態。常時表示なので、腕を傾けなくても時刻や情報が見える
項目内容
サイズ40mm/44mm
ディスプレイ常時表示Retina(LTPO OLED)、最大約1,000ニト
チップS10(Neural Engine搭載)
ストレージ64GB
センサー第2世代光学式心拍、温度(皮膚温)、加速度、ジャイロ、コンパス、常時高度計
バッテリー通常使用 最大約18時間/低電力モード 最大約32時間
充電高速充電対応(約45分で80%)
耐水WR50
筐体100%再生アルミニウム
通信GPSモデル/GPS + Cellularモデル
対応iPhoneiPhone 11以降
非対応機能心電図(ECG)、血中酸素ウェルネス

数値はいずれもメーカー公表値だ。仕様や価格は変更されることがあるので、購入前にApple公式で確認してほしい。


【44mmは男性なら大きく感じない】

Apple Watch SE 3の側面。デジタルクラウンとサイドボタンが並ぶアルミニウム筐体
側面。デジタルクラウンとサイドボタンが並ぶ。アルミ筐体なので軽い

サイズ選びで迷う人は多いと思う。僕は44mmを選んだ。

結論として、男性の腕なら44mmは大きく感じない。写真を見てもらうと分かるが、腕に対して過剰に主張するサイズではない。

むしろ表示領域が広いぶん、情報が見やすい。文字盤にコンプリケーション(小さな情報表示)を複数置いても、それぞれが読める大きさで収まる。40mmだと同じ配置でも窮屈になるはずだ。

重量面でも問題は感じない。100%再生アルミニウムの筐体なので、見た目のサイズほど重くない。睡眠時につけたまま寝ても気にならないレベルだ。ステンレスやチタンの上位モデルだと、この感覚は変わってくると思う。

手首が細めの人や、腕時計そのものを普段つけない人は40mmのほうが馴染むかもしれない。ただ「大きすぎたらどうしよう」という不安だけで40mmを選ぶ必要はない、というのが44mmを使っている側の実感だ。


【常時表示が体験を変える】

SE 3で最大の変更点が常時表示ディスプレイへの対応だ。

従来のSEは、腕を傾けないと画面が点かなかった。これが地味に不便で、両手が塞がっている場面で時刻を確認できない。電車のつり革を持っているとき、荷物を抱えているとき、料理をしているとき。日常には意外とその場面が多い。

常時表示なら、視線を落とすだけで済む。「腕を回す」という動作が要らなくなるだけで、確認の心理的コストが激減する。

最大輝度は約1,000ニトで、直射日光下でも見える。最小2ニトまで落ちるので、就寝時につけていても眩しくない。

正直に書いておくと、ベゼル(画面の黒枠)はSeriesより太い。同じケースサイズでも表示領域は狭くなる。並べて比べれば違いは分かるが、SE単体で使っているぶんには気にならない範囲だと思う。


【体調が数値で見えるようになる】

Apple Watch SE 3の裏面。光学式心拍センサーとSE 44MMアルミニウムケースの刻印
裏面の光学式心拍センサー。ここで心拍と皮膚温を計測する

使ってみて一番価値を感じているのがここだ。体調を細かく管理できるようになった。

計測できる主な項目を挙げておく。

  • 心拍:安静時心拍数、高心拍・低心拍の通知、不規則な心拍リズムの通知
  • 皮膚温:睡眠中の手首皮膚温の変化を記録
  • 睡眠:睡眠ステージの記録と睡眠スコアによる質の可視化
  • 睡眠時無呼吸:兆候があれば通知(18歳以上向け)
  • アクティビティ:ムーブ、エクササイズ、スタンドの3つのリング

特に効いているのが安静時心拍数と皮膚温の推移だ。体調を崩す前後で数値が動くので、「なんとなく調子が悪い」という感覚に裏付けが取れる。

今までは疲れているのかどうかを感覚だけで判断していた。数字が残ると、無理をしていい日とそうでない日の判断が変わる。これは体感として大きい。

睡眠スコアも同様だ。何時間寝たかだけでなく、質まで数値化される。寝た時間は同じなのにスコアが低い日は、実際に日中のパフォーマンスも落ちている。この対応関係が見えるようになった。

ただし、ここは明確にしておきたい。Apple Watchは医療機器ではない。数値はあくまで目安であり、診断に使えるものではない。体調に不安があるときは、素直に医療機関で相談してほしい。


【振動アラームが想像以上に優秀】

意外と語られないが、これは買ってよかったと思う機能のひとつだ。

手首への振動でアラームが鳴る。音が出ないので、周囲を起こさずに済む。同居している人がいるなら、この一点だけでも価値がある。

そして振動なのにきちんと起きられる。これが意外だった。手首という体の一部を直接叩かれる感覚なので、スマホのアラームより気づきやすい。音のアラームだと止めてまた寝てしまうことがあるが、振動は無視しづらい。

アラーム以外でも、通知の振動は用途が広い。ポケットの中のスマホでは気づけない通知に、確実に気づける。着信、リマインダー、タイマー。手首に来るというだけで、取りこぼしがなくなる。

逆に言えば、通知が多すぎると振動だらけになる。iPhone側で通知を選別しておかないと、常に手首が震えている状態になる。導入したら最初に設定を見直したほうがいい。


【iPhoneとの連携が本領】

Apple Watchの価値の大半は、iPhoneとの連携にあると思っている。

通知の確認、返信、Apple PayやSuicaでの決済、マップのナビ、音楽の操作、タイマーやリマインダー。iPhoneを取り出す回数が明確に減る。

特に決済は快適だ。改札も店の支払いも、手首をかざすだけで終わる。スマホを取り出して、アプリを開いて、という手順がなくなる。

ナビも同様で、曲がる方向を振動で教えてくれる。画面を見なくても歩ける。これは慣れると手放せない。

裏を返せば、iPhoneを使っていないと意味がない製品ということでもある。Androidでは使えないので、そこは大前提として押さえておきたい。対応するiPhoneはiPhone 11以降だ。


【最大の課題:電池持ち】

Apple Watch SE 3を充電スタンドに立てて充電している状態
充電中。スタンドに立てておけば、置き場所と充電場所が兼用できる

正直に書く。電池持ちは課題だ。

公称値は通常使用で最大約18時間。低電力モードなら最長約32時間になる。上位のSeriesより短い数字だ。

問題は、睡眠計測をすると充電のタイミングがなくなることだ。寝ている間もつけている以上、外して充電する時間を別に作らなければならない。18時間では、24時間を回しきれない。

入浴と外出準備の時間で回している

僕がやっているのは、生活のなかで必ず外すタイミングに充電を重ねるという運用だ。

具体的には2つある。

入浴中。風呂に入っている間は当然外す。この30分程度を充電に充てる。

外出の準備時間。着替えや身支度をしている間も外しておける。この積み重ねで、日中の稼働分を確保できる。

この運用が成立するのは、高速充電のおかげだ。約45分で80%まで戻せるので、入浴時間だけでかなり回復する。従来モデルのように充電に90分かかっていたら、この回し方はできない。

短時間の充電でも効く。数分挿しておくだけで、睡眠計測ぶんくらいは確保できる。「フル充電しないと使えない」という感覚から解放されるのが、高速充電の本当の価値だと思う。

とはいえ、これは運用でカバーしているだけだ。電池持ちそのものが改善されたわけではない。生活リズムが不規則な人や、充電を習慣化できない人にとっては、素直にストレスになると思う。

充電スタンドを1つ用意しておくと運用が安定する。外す場所と充電する場所が同じになるので、置きっぱなしにして充電を忘れる事故が減る。


【この製品の弱点】

ECGと血中酸素は使えない

心電図アプリと血中酸素ウェルネスアプリには非対応だ。ここがSeriesとの明確な差になる。

日常の健康管理という意味では、心拍・睡眠・皮膚温で十分カバーできる。これらの機能を明確に必要としているなら、SeriesやUltraを選ぶべきだ。

ベゼルが太い

前述のとおり、Seriesと比べると画面の黒枠が太く、表示領域が狭い。斜めから見たときの明るさが上がる機能も非対応だ。

バッテリーは18時間

繰り返しになるが、ここが最大の課題だ。運用でカバーする前提だと理解して買ってほしい。

iPhoneが必須

Androidでは使えない。iPhone 11以降が必要になる。当然の話ではあるが、購入前に確認しておきたい。


【モデル選びの指針】

迷いやすいポイントを整理しておく。

  • サイズ:男性なら44mmで問題ない。手首が細い、腕時計に慣れていないなら40mm
  • GPS or Cellular:iPhoneを常に持ち歩くならGPSで十分。単独で通信したい、見守り用途ならCellular
  • SE 3 or Series:ECGや血中酸素が要るならSeries。それ以外はSE 3で足りる

僕はGPSモデルの44mmを選んだ。iPhoneを持たずに出る場面がほぼないので、Cellularの料金を払う理由がなかった。ランニング中だけスマホを置いていきたい、といった用途があるならCellularを検討する価値はある。


【まとめ:買うべき人・避けるべき人】

買うべき人

  • はじめてのスマートウォッチを探している
  • iPhoneを使っている
  • 睡眠や体調を数値で把握したい
  • 音を出さずに起きたい(振動アラーム)
  • 通知の取りこぼしを減らしたい
  • 入浴などの決まった時間に充電を組み込める

避けるべき人

  • Androidを使っている
  • ECGや血中酸素の計測が目的
  • 数日単位の電池持ちを求めている
  • 充電の習慣を作れる自信がない

スマートウォッチは、買う前に何ができるのか想像しにくい製品だと思う。時計と通知だけなら、わざわざ買う理由がないようにも見える。

実際に使ってみて価値を感じたのは、自分の体の状態が数字として残ることだった。心拍、皮膚温、睡眠スコア。感覚でしかなかったものが可視化されると、生活の判断が変わる。

電池持ちは確かに課題だ。だが入浴と身支度の時間に充電を差し込むだけで回せている。高速充電があるからこそ成立する運用で、そこはSE 3の実質的な価値だと思っている。

ECGや血中酸素が要らないなら、この価格帯で不足を感じる場面は少ない。最初の1台としては、素直におすすめできる。


※本製品は医療機器ではありません。記載の計測機能は健康管理を目的としたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安がある場合は、必ず医療機関にご相談ください。

※睡眠時無呼吸の通知や不規則な心拍リズムの通知には、それぞれ対象年齢の基準が設けられています。詳細はApple公式サイトでご確認ください。

※本記事に記載のスペックは執筆時点でメーカーが公表している情報に基づいています。仕様、価格、カラー展開、対応機種は変更される場合がありますので、購入前にApple公式サイトおよび販売店でご確認ください。

※装着感、電池持ち、使用感に関する記述は僕個人の使用環境における感想です。使い方や設定によって結果は異なります。

※セルラーモデルの利用可否や料金は、各キャリアの提供状況によります。

※価格は販売店や時期によって変動します。

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