結論から書く。「充電速度」を求める人には向かないが、「デスク周りの充電ケーブルを1カ所に固定したい」人にはこれ以上ないほどハマる製品だ。
サンワサプライのACA-IP51BKは、デスクの天板をクランプで挟んで固定するタイプのUSB充電器。Type-C×1ポートとUSB A×3ポートの計4ポートを搭載している。2017年9月発売という、決して新しくない製品だ。それでも今なお選ばれ続けているのには理由がある。
僕がこの製品に注目したのは、机の下に潜ってタップを探す動作が地味にストレスだったからだ。同じ悩みを抱えている人は多いと思う。
【ACA-IP51BKの基本スペック】
まずはメーカー公表値を整理しておく。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品番 | ACA-IP51BK(ブラック)/ACA-IP51W(ホワイト) |
| 定格入力 | AC100V 50/60Hz |
| 定格出力 | DC5V/4.8A(4ポート合計最大) |
| USB Aポート | DC5V/2.4A(1ポート最大)×3 |
| USB Type-Cポート | DC5V/3.0A(1ポート最大)×1 |
| サイズ | W135×D55.5×H43.5mm(クランプ部を除く) |
| 重量 | 約300g |
| コード長 | 約2m |
| 対応天板厚 | 10〜40mm |
| 標準価格 | オープン価格 |
注目すべきは**「合計4.8A」という上限**だ。個々のポートは最大2.4Aや3.0Aを出せるが、4ポートすべてを使えば合計4.8Aで頭打ちになる。ここは後で詳しく触れる。
【最大の魅力は「動かない」こと】
この製品の価値は、性能表では見えないところにある。
デスクの天板を金具で挟み込んで固定するので、充電器そのものが一切動かない。つまり、ケーブルを片手で引き抜ける。両手を使ってタップを押さえながら抜く、あの間抜けな動作がなくなる。
取り付けは工具不要だ。天板にクランプを差し込んで、つまみを回すだけ。ネジ穴を開ける必要もないので、賃貸でも会社のデスクでも気兼ねなく使える。対応する天板の厚さは10〜40mm。一般的なワークデスクならほぼ収まる範囲だ。
ACコードはデスクの下側に向けて配線する設計になっている。これが効いていて、デスク上にコードが一切見えない。天板の上には充電器本体とUSBケーブルだけが残る。デスクをすっきり見せたい人にはこの構造がかなり刺さるはずだ。
天板と接する部分には傷防止シートが貼られており、滑り止めの役目も兼ねている。細かいが、こういう配慮があるのはサンワサプライらしい。
【LED非搭載という地味な英断】
意外と語られないが、この製品は通電ランプ(LED)を搭載していない。
充電器やタップの多くは、通電中に青や緑のLEDが光る。日中は気にならないが、寝室で使うと想像以上に眩しい。ベッド横のサイドテーブルに取り付けたいと考えているなら、この「光らない」仕様は明確なメリットだ。
逆に、通電しているかどうかを目視で確認したい人には物足りないかもしれない。ここは好みが分かれる部分だと思う。
【正直に書く、この製品の弱点】
良いことばかり書いても意味がないので、はっきり書いておく。
USB PD非対応
これが最大の弱点だ。 Type-Cポートを搭載しているものの、USB PD(Power Delivery)には対応していない。出力は5V/3Aまでの固定。
つまり、ノートパソコンの充電はできない。MacBookやUSB-C給電のWindowsノートを想定している人は、この時点で候補から外していい。
スマートフォンについても同様で、PD対応の急速充電は使えない。iPhoneを短時間で充電したいなら、別途PD対応の充電器を用意する必要がある。Type-Cポートの表裏を気にせず挿せるのは便利だが、それは速度とは別の話だ。
合計4.8Aの分配
4台同時に充電すると、合計4.8Aを分け合う形になる。1台あたり平均1.2A程度だ。スマホ、イヤホン、スマートウォッチ、モバイルバッテリーといった構成なら実用上の不満は出にくいが、タブレット2台を同時に急いで充電する、といった使い方には向かない。
設計が古い
2017年発売の製品だ。当時としては十分な仕様だったが、現在の充電器市場はGaN採用の小型・高出力モデルが主流になっている。「クランプで固定できる」という一点でこの製品を選ぶ、という割り切りが必要だ。
意外と重い、そして大きい
約300gという重量は、充電器としてはずっしりくる。もっともクランプで固定して使う以上、重さがデメリットになる場面は限られる。むしろ安定感につながっている。ただしW135mmという横幅は、狭い天板だと存在感が出る。
【実際に使っている人の声】
通販サイトのユーザーレビューを見ると、昇降デスクに取り付けて使っているという投稿があった。モニターアームと組み合わせて、使わないときは充電器を隠す配置にしているらしい。スマホやスマートウォッチの充電が主な用途で、不満はないという内容だった。
また、個人ブログのレビューでは「デスクにしっかり固定されているので片手でケーブルを抜き差しできるのが最高」という趣旨の評価があり、ベッド横のサイドテーブルに取り付ける使い方も紹介されていた。板の幅さえ合えば縦向きに固定することも可能とのことだ。
なお執筆時点で、価格.comにはブラック・ホワイトともにクチコミが登録されていない。母数が多い製品ではないので、レビュー数の多さで判断したい人には情報が少なく感じられるかもしれない。
【安全設計はしっかりしている】
充電器を選ぶうえで見落とせないのが安全性だ。この点、ACA-IP51BKは押さえるべきところを押さえている。
- 絶縁キャップ付きACプラグ:プラグの根元にホコリが溜まって発火するトラッキング火災を予防する
- 過電流保護回路:接続機器の負荷電流が最大出力を超えた場合、出力を停止する
- 短絡保護回路:出力側がショートした場合、出力を停止する
加えて、電気用品安全法(PSE)の技術基準適合品だ。デスクに固定して長時間つなぎっぱなしにする製品だからこそ、ここは軽視できない。
【どれを選ぶべきか】
サンワサプライは同じクランプ式で複数のラインナップを用意している。迷ったときの指針を書いておく。
- ACA-IP51BK / ACA-IP51W(本製品):Type-C×1+USB A×3。Type-Cが1つ欲しいならこれ
- ACA-IP50BK / ACA-IP50W:USB A×4。Type-C機器を持っていないなら選択肢に入る
- ACA-PD106BK / ACA-PD106W:Type-C×2(USB PD対応)+USB A×2。ノートパソコンを充電したいならこちら一択
ACA-PD106シリーズは価格が跳ね上がるが、PD対応かどうかは決定的な差だ。予算に余裕があって、将来的にノートPCも繋ぐ可能性があるなら、そちらを検討したほうが後悔は少ない。
また、クランプ式の電源タップ「TAP-B25」と同サイズ・同形状に設計されているので、AC電源も追加したい場合は横に並べて統一感を出せる。この設計思想は素直に感心した。
【まとめ:買うべき人・避けるべき人】
買うべき人
- デスク周りのケーブルを1カ所にまとめて固定したい
- スマホ・イヤホン・スマートウォッチなど、小型機器を複数充電する
- 机の下に潜って抜き差しする面倒から解放されたい
- 寝室やベッドサイドで、光らない充電器を探している
- 賃貸などで、穴を開けずに設置できる方法を求めている
避けるべき人
- ノートパソコンをUSB-Cで充電したい
- スマホの急速充電(PD)を重視する
- 天板の厚さが10mm未満、または40mmを超える
- とにかく小型・軽量なものが欲しい
充電器としてのスペックは今の基準では控えめだ。しかしこの製品が売っているのは出力性能ではなく、「充電器の定位置をデスクに作れる」という体験である。そこに価値を感じるなら、実売3,000円台という価格帯は十分に納得できる買い物だと僕は思う。
※本記事に記載のスペックは執筆時点でメーカーが公表している情報に基づいています。仕様は予告なく変更される場合がありますので、購入前に必ず公式サイトおよび販売ページでご確認ください。
※価格は執筆時点のもので、販売店や時期によって変動します。表示価格を保証するものではありません。
※充電速度は接続する機器やケーブルの性能によって変わります。記載の出力値はメーカー公表の最大値であり、すべての環境で同じ結果になることを保証するものではありません。
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