マウスで手首を痛めかけたことがあって、そこから気になっていたのがトラックボールだった。買ったのはエレコムの大玉モデル「HUGE」。有線タイプで、1年近く使っている。
先に結論を書く。1年近く使っているが、いまだにぎこちない。慣れたとは言えない。
トラックボールのレビューは「2週間で慣れる」「慣れたらもうマウスに戻れない」で締めくくられるものが多い。僕の場合はそうならなかった。そのうえで、それでもこの製品を勧められると思っている理由も書いていく。

【スペック】
| 製品名 | エレコム トラックボールマウス “HUGE” |
| 型番 | M-HT1URBK(本体裏の表示は「M-HT1UR BK」) |
| 接続 | USB有線 |
| 操作タイプ | 人差し指・中指操作タイプ |
| ボール直径 | 約52mm |
| ボタン | 8ボタン(ホイールボタン含む)+チルトホイール |
| センサー | ゲーミンググレードの光学式センサー |
| カウント切替 | 500/1000/1500の3段階 |
| サイズ | 幅114.7×奥行181.9×高さ57.2mm |
| 質量 | 約268g |
| 製造国 | ベトナム(本体裏表示) |

型番について補足しておく。エレコムはHUGEの有線モデルとしてM-HT1URBKとM-HT1URXBKの2つを掲載している。末尾の違いは販路やパッケージの違いとみられるが、確定的なことは書けない。僕の手元にある個体の裏面表示は「M-HT1UR BK」だ。
また、見た目のほぼ同じワイヤレス版(M-HT1DRBK)が別に存在する。この記事で書いているのは有線モデルなので、無線が必要なら型番を確認してほしい。
【1年経っても慣れない、という話】
この記事でいちばん書いておきたいのがここだ。
1年近く毎日使っていて、まだぎこちない。狙ったところにカーソルを止めるとき、いまでも微調整が入る。普通のマウスなら考えずにできる動作に、まだ意識を使っている。
これは僕が不器用だからかもしれないし、使い方が悪いのかもしれない。ただ、「1〜2週間で慣れます」と書いてあるレビューを読んで買った側としては、話が違うと感じたのは事実だ。だから正直に書いておく。
比較対象として、僕は親指操作タイプのトラックボールも使ったことがある。そちらは、比べものにならないくらい早く慣れた。同じトラックボールなのに、この差はかなり大きい。
【なぜ親指タイプのほうが慣れやすいのか】
この差は感覚の問題ではなく、構造の違いで説明がつくと思っている。
親指操作タイプは、通常のマウスと持ち方がほとんど同じだ。手のひらを本体にかぶせて、人差し指と中指でクリックする。この部分は今まで通りで、新しく覚えるのは「親指でボールを転がす」という一点だけになる。つまり、それまでに積み上げた手の動きを壊さずに済む。
対して人差し指・中指操作タイプは、手の置き方も、指の役割分担も、全部が変わる。これまでクリックに使っていた指がボールを転がす役に回り、クリックは別の指が担当することになる。覚え直す量が単純に多い。
さらに、普通のマウスは「位置決めは腕、クリックは指」と役割が分かれている。この分担があるから、動かしながら押しても位置がずれない。人差し指・中指タイプは、動かす指と押す指の距離が近く、この分担が曖昧になる。狙った位置で止めた直後にクリックへ移る、その切り替えがぎこちなさとして残っているのだと思う。
だから「トラックボールは慣れが必要」と一括りにするのは正確ではない。親指タイプの慣れやすさと、このタイプの慣れにくさは、別の話として扱ったほうがいい。トラックボール自体が初めてなら、まず親指タイプから入るほうが失敗しにくいと思う。
【それでも勧められる理由|価格と伸びしろ】
ここまで書いておいて何だが、僕はこの製品を勧められると思っている。理由は2つある。
ひとつは、価格が安いことだ。大玉トラックボールという特殊なジャンルの中では、手の届く価格帯にある。合わなかったときの損失が小さい。これは「試してみる」という選択が現実的だということを意味する。
トラックボールは、店頭で数分触っただけでは合うかどうか分からない道具だ。かといって数万円のものをいきなり買うのは重い。そこにこの価格帯の選択肢があるのは、ジャンルとして意味がある。
もうひとつは、ハマったときの上限が高いことだ。52mmのボールを2本の指で転がすので、一度の操作で動かせる距離が長い。親指1本で回す小さいボールより、大きく速く動かせる。慣れさえすれば、親指タイプより楽なはずだという感触はある。
僕はまだそこに到達していない。ただ、到達点が高いことと、そこまでが遠いことは両立する。この製品を評価するなら、その両方を書かないとフェアではないと思う。
【手首については、はっきり効いている】
操作の慣れとは別に、当初の目的だった手首の負担については効果がある。
普通のマウスは本体ごと動かすので、手首を左右に振る動作が延々と続く。トラックボールは本体が動かないので、その動作自体が発生しない。加えてHUGEは本体上面に低反発素材のパームレストがあり、手のひらから手首までを乗せたままにできる。
ここは慣れとは関係なく最初から効く部分だ。ぎこちなくても、手首は動かさずに済んでいる。手首の負担を減らすという目的だけなら、慣れないままでも一定の効果は得られている。
【ボタンとチルト】
ボタンは8つあり、専用ソフト「エレコム マウスアシスタント」で機能を割り当てられる。チルトホイールで横スクロールもできる。
横に広い表計算やPDFを扱うときは、横スクロールが指先で完結するのは楽だ。ただし、ボタンの数が多いことと使いこなせることは別だ。ぎこちなさが残っている状態だと、割り当てたボタンを咄嗟に押せないことがある。
専用ソフトの出来については、僕は割り当てを設定した以上のことをしていないので評価しない。
【有線であること】
このモデルはUSB有線専用で、ワイヤレスには対応していない。
ただ、トラックボールにとって有線はマウスほどの欠点にならない。本体を動かさないので、ケーブルが引っかかる場面がそもそも発生しない。無線の主な利点である「取り回しの自由さ」が、この製品では最初から必要ない。
電池切れがないことのほうが実用上は大きい。据え置きで使う道具なので、有線は理にかなった選択だと思っている。
【弱点】
- 慣れるのに非常に時間がかかる。僕は1年経ってもぎこちない
- 本体が大きい(幅約115×奥行約182mm、約268g)。持ち運びには向かない
- 有線専用。無線が必要なら別型番になる
- ボタンが多くても、慣れないうちは使いこなせない
- 設置スペースを固定で取る。机の上の一等地を占有する
【向いている人/向いていない人】
向いている人
- マウス操作で手首に負担を感じている人
- すでに親指タイプを使っていて、次の段階を試したい人
- 据え置きで使い、机のスペースに余裕がある人
- 合わなかったときに割り切れる人(価格がそれを許す)
- 大きく速いカーソル移動を求めている人
向いていない人
- トラックボール自体が初めての人(親指タイプから入るほうがいい)
- すぐに戦力になる入力機器が必要な人
- 持ち運びたい人
- 無線でないと困る人
- 細かい精密作業をすぐにこなす必要がある人
【まとめ】
1年近く使って、まだ慣れていない。これがこの記事の一番正確な部分だ。「2週間で慣れる」という話を鵜呑みにして買うと、僕のようになる可能性がある。
ただ、それは製品が悪いという意味ではない。手首の負担は最初から減っているし、慣れさえすれば親指タイプより楽になるはずだという感触もある。到達点は高い。ただ、そこまでが遠い。
だから僕の結論はこうなる。安いので、試してみるのはありだと思う。ただし「慣れるまでの期間」を短く見積もらないほうがいい。数週間で判断せず、合わなければ引き返せる買い物として考えておくくらいがちょうどいい。
僕はまだ引き返していない。ぎこちないまま、毎日使っている。
※本記事は、僕が実際に購入して1年近く使用している製品について書いています。スペックはエレコム公式の製品情報および本体裏面の表示に基づきます。
※操作への慣れやすさ、手首の負担の感じ方には個人差があります。本記事の記述は僕個人の感想であり、同じ結果になることを示すものではありません。
※手や手首の痛みが続く場合は、入力機器の変更で解決を図る前に医療機関にご相談ください。
※HUGEには有線モデルとワイヤレスモデルがあり、有線モデルにも複数の型番が存在します。購入前に型番と接続方式をご確認ください。
※価格・仕様・付属ソフトの内容は変更される場合がありますので、購入前に販売ページの最新情報をご確認ください。
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※本記事の作成にあたり、文章の構成・編集にAIを利用しています。掲載内容の最終確認は僕自身が行っています。

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