EarFun Clipレビュー|片耳をなくすまで使い倒した、イヤーカフ型の実力と限界

EarFun Clipの充電ケース。半光沢の樹脂ケース ガジェット
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結論から書く。装着感は文句なし。ただし通話には向かない。

EarFun Clipは、耳を塞がないイヤーカフ型の完全ワイヤレスイヤホンだ。耳たぶに挟んで使うタイプで、カナル型の圧迫感も骨伝導の振動もない。

僕はこれを毎日使い込んでいた。片耳をなくすまでは。

現在は後継機のEarFun Clip 2に移行している。だからこの記事は、使い切って、なくして、買い替えた人間の記録になる。良かった点も、実際に困った点も書く。


【基本スペック】

EarFun Clipの充電ケース
充電ケース。半光沢の仕上げで、指紋や傷が目立ちにくい
項目内容
形式イヤーカフ型 完全ワイヤレスイヤホン
接続Bluetooth 6.0(Google Fast Pair対応)
コーデックLDAC対応、Hi-Res Audio認証
ドライバー10.8mm カーボンファイバードーム振動板
重量片耳 約5.7g/総重量 約49.2g
再生時間LDACオフ:単体10時間/ケース込み40時間
LDACオン:単体5.5時間/ケース込み22時間
防塵防水IP55(イヤホン本体)
操作物理ボタン
マイクAIデュアルマイク(通話ノイズキャンセリング)
その他マルチポイント接続、3Dオーディオ、ゲームモード、専用アプリ対応
受賞VGP 2025 SUMMER 金賞

数値はメーカー公表値だ。1万円を切る価格でLDAC、マルチポイント、IP55まで揃うのは、スペック表だけ見れば破格と言っていい。


【装着感は本当に軽い】

EarFun Clipを耳に装着した状態。耳たぶを挟むイヤーカフ型で耳穴は塞がない
耳たぶに挟んだ状態。耳穴を塞がないので、装着していても圧迫感がない

この製品の最大の長所がここだ。

長時間つけていても耳が痛くならない。これは誇張なしに書ける。片耳5.7gという軽さもあるが、それ以上に耳穴に何も入れないという構造が効いている。

カナル型を長時間つけていると、耳の奥がじんわり痛くなってくる。イヤーピースが耳道を押し広げ続けるからだ。夏場は蒸れもある。その不快感が、まるごとなくなる。

写真のとおり、挟んでいるのは耳たぶの縁だけだ。液体シリコンで形状記憶合金のワイヤーを包んだ構造になっていて、耳の形に合わせてしなやかに変形する。軽いのに、下を向いたくらいでは外れない。

外の音がそのまま聞こえるのも大きい。在宅で作業していても、インターホンや呼びかけに気づける。歩いているときも周囲の音が入るので、音楽を聴きながらでも安全性が確保しやすい。

「イヤホンをつけていることを忘れる」という表現は大げさに聞こえるかもしれないが、実際そうなる。それが後述する紛失にも繋がるのだが。


【音質はオープンイヤーとしては十分】

耳を塞がないイヤホンは音がスカスカ、というイメージを持っている人は多いと思う。僕もそうだった。

10.8mmのカーボンファイバードーム振動板を積んでいて、LDACにも対応する。オープンイヤー型にありがちな低音の物足りなさは、この価格帯としてはかなり抑えられている。ボーカルや楽器の輪郭もはっきり出る。

ただし、期待値の設定は必要だ。構造上、カナル型の重低音には絶対に届かない。耳穴を密閉していないので、低い帯域は物理的に逃げる。ここを求めるならイヤーカフ型を選ぶべきではない。

3Dオーディオ(シアターモード)も搭載されている。映画やライブ映像では音場が広がって聴こえる。普段使いというより、たまに切り替えて楽しむ機能だと思う。

LDACをオンにすると再生時間が半減する点は覚えておきたい。単体10時間が5.5時間になる。音質重視の日はオン、長時間使う日はオフ。この切り替えを前提に運用したほうがいい。



【ケースと操作系】

ケースは半光沢の仕上げで、指紋や細かい傷が目立ちにくい。イヤーカフ型は本体の形状が特殊なぶん、ケースも横に膨らんだ形になっている。カナル型のケースより一回り大きいと思っておいたほうがいい。

とはいえポケットに入る範囲だ。総重量49.2gなので、持ち歩いて負担になる重さでもない。充電端子はUSB Type-Cで、ケース底面に配置されている。

物理ボタンは正解だと思う

操作は物理ボタン式だ。イヤーカフ型ではこれが効く。

タッチ操作の製品だと、装着位置を直すときや髪を触ったときに反応してしまう。イヤーカフ型は挟む位置を微調整する場面が多いので、そのたびに再生が止まったり曲が飛んだりする。

物理ボタンなら押したときだけ反応する。誤操作がほぼない。押し込む感触も返ってくるので、操作したかどうかが確実に分かる。

ただし、押すときに耳が多少押される。カナル型のようにグッと押し込まれる感覚はないが、無音で操作できるわけではない。この点はタッチ式に分がある。

ペアリングは一瞬で終わる

Google Fast Pairに対応しているので、Androidならケースの蓋を開けてスマホに近づけるだけで接続の通知が出る。タップすれば完了だ。説明書を開く必要がない。

マルチポイント接続にも対応していて、2台まで同時に繋げる。スマホとPCの両方に繋いでおけば、PCで作業しながら着信に対応できる。在宅で使うなら、この機能は毎日効いてくる。

アプリで調整できる

専用アプリのEarFun Audioに対応している。イコライザーで音質を調整したり、ボタンの割り当てを変えたりできる。

オープンイヤー型は低音が逃げやすいので、イコライザーで低域を少し持ち上げると印象が変わる。デフォルトのままでも使えるが、一度触ってみる価値はある。


【使う場面ごとの評価】

実際に使ってきた場面ごとに、向き不向きを整理しておく。

在宅作業:最も相性がいい

ここが本領だ。一日中つけていても痛くならないので、作業中ずっと音楽を流しておける。

外音が聞こえるので、インターホンや宅配便にも気づける。カナル型だと、音楽を流している間は完全に世界から切り離される。その状態で在宅していると、荷物の再配達を繰り返すことになる。

静かな部屋でのオンライン会議なら、通話も実用範囲だ。

屋外・移動中:音楽ならOK、通話はNG

歩きながら音楽を聴く用途なら快適だ。周囲の音が入るので、車や自転車の接近にも気づける。安全性という点では、カナル型より明確に優れている。

ただし通話は厳しい。詳しくは後述するが、屋外では相手に声が届きにくい。移動中に電話が多い人には向かない。

風の強い日は、風切り音が入りやすい点も覚えておきたい。

運動:軽い運動なら問題なし

ウォーキングやランニング程度なら、下を向いたくらいでは外れない。IP55の防塵防水があるので、汗や小雨も気にしなくていい。

ただし頭を大きく振るような動きは避けたほうがいい。挟んでいるだけの構造なので、強い衝撃には弱い。後述する紛失のリスクにも直結する。

静かな場所:音漏れに注意

図書館やカフェの静かな席では、音量を絞る必要がある。開放型である以上、これは仕方がない。

逆に電車内や屋外なら、周囲の騒音に紛れるので気にならないレベルだ。使う場所を選ぶ製品だと理解しておきたい。


【最大の弱点:通話は静かな場所でしか使えない】

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分だ。

スペック表には「AIデュアルマイクによる通話ノイズキャンセリング」と書かれている。だが実際に使ってみると、静かな環境でなければ通話は成立しない。

理由は構造にある。イヤーカフ型は耳たぶに装着するので、マイクが口から遠い。カナル型なら耳穴に固定されて位置が安定するし、スティック型なら口元に向かって伸びる。イヤーカフ型はそのどちらでもない。

加えて、耳を塞がない構造は周囲の音を拾いやすい。屋外、カフェ、風のある場所。こうした環境では自分の声より環境音のほうが大きくなり、相手に聞き取ってもらえない。

自宅の静かな部屋でのオンライン会議なら問題ない。だが外を歩きながらの通話、配達中の連絡、騒がしい店内での会話。こういった用途には使えないと考えたほうがいい。

これは製品の欠陥というより、イヤーカフ型というカテゴリー全体の構造的な限界だ。通話が主目的なら、そもそもこのタイプを選ぶべきではない。

音楽を聴く道具として買い、通話はおまけと割り切る。その前提なら不満は出ない。

実際の運用としては、通話が入りそうな日はスマホのマイクで話すか、別のイヤホンに持ち替えている。マルチポイントで2台に繋がるので、片方をスマホに割り当てておけば切り替え自体は速い。ただ、それは通話品質の解決にはならない。

もうひとつ補足しておくと、自分側に相手の声が聞こえるかどうかは別問題だ。受話は問題ない。開放型なので周囲の音と混ざるが、静かな場所なら十分聞き取れる。あくまで送話、つまり自分の声が届きにくいという話になる。



【バッテリーは実用上十分】

公表値はLDACオフで単体10時間、ケース併用で40時間。LDACオンだと単体5.5時間、ケース込み22時間になる。

設定イヤホン単体ケース併用
LDACオフ最大10時間最大40時間
LDACオン最大5.5時間最大22時間

在宅で一日中つけっぱなしにする使い方だと、LDACオフなら丸一日持つ。途中で切れる心配がないのは、この手の製品としては貴重だ。

LDACをオンにすると半分になるが、5.5時間あれば通勤や外出には足りる。家では長く、外では良い音で。この使い分けが現実的だと思う。

10分程度の急速充電にも対応しているので、出がけに少し挿しておけば数時間は使える。ケースに戻す習慣さえあれば、充電で困る場面はほぼない。

ただしワイヤレス充電には非対応だ。ケーブルを挿す必要がある。この点は後継機で改善されている。


【片耳をなくした話】

EarFun Clipの充電ケースを開けた状態。片方のイヤホンだけが残っている
現在のケースの中。片方しか残っていない

写真がすべてを語っている。片耳をなくした。

皮肉なことに、原因は装着感の良さだと思っている。つけていることを忘れるくらい軽いので、いつ落ちたのかも分からない。耳から外れた感触すらなかった。

カナル型なら、外れれば必ず気づく。耳の中に入っているものがなくなるからだ。イヤーカフ型は、そもそも装着感が希薄なぶん、喪失にも気づきにくい。

片耳をなくすと、実質的に終わる

ここが重要な点だ。

完全ワイヤレスイヤホンは、片方だけを買い足すのが難しい。メーカーによっては片耳のみの販売や有償交換に対応していることもあるが、手続きの手間と費用を考えると、新しいものを買ったほうが早いという判断になりがちだ。

結果として、僕は後継機のEarFun Clip 2に買い替えた。1万円以下の製品とはいえ、寿命が「バッテリー劣化」ではなく「紛失」で決まるのは納得しづらい部分がある。

紛失対策として言えること

  • 外したらすぐケースに戻す。ポケットや机に直置きしない。ケースに入れる習慣が唯一の対策だと思う
  • 装着位置を毎回確認する。浅く挟まっていると外れやすい。しっかり奥まで挟む
  • Find Hub機能を使う。Androidならこの機能に対応しているので、設定しておくと発見の可能性が上がる
  • 激しい動きの場面では使わない。ランニング程度なら大丈夫だが、頭を振るような動作は避けたい

特に1つ目が大きい。「軽くてつけていることを忘れる」は長所であり、同時にリスクでもある。ここを理解して運用するかどうかで、寿命が変わる。


【その他の弱点】

静かな場所では音漏れする

開放型である以上、これは避けられない。音漏れ防止の設計はされているが、静かなオフィスや図書館では音量に注意が必要だ。

逆に言えば、電車や屋外なら気にならないレベルではある。使う場所を選ぶ製品だと考えたい。

LDACオンでバッテリーが半減する

前述のとおり、単体10時間が5.5時間になる。音質を取るか稼働時間を取るかのトレードオフだ。

ワイヤレス充電に非対応

充電はケーブル接続のみだ。なお後継機のClip 2ではワイヤレス充電に対応している。

ケースは防水非対応

IP55の防塵防水はイヤホン本体のみだ。充電ケースは対象外なので、雨天時はケースを濡らさないよう注意したい。


【カナル型・骨伝導との違い】

初めてイヤーカフ型を検討する人のために、3タイプの違いを整理しておく。

項目カナル型骨伝導型イヤーカフ型
装着耳穴に挿入こめかみに接触耳たぶに挟む
遮音性高い低い低い
低音強い弱い中程度
長時間の疲れ出やすい出にくい出にくい
独特の感覚圧迫感振動ほぼなし
通話品質安定環境次第環境次第

「カナル型は疲れる、でも骨伝導の振動も苦手」という人にとって、イヤーカフ型は中間の選択肢になる。

ただし表のとおり、遮音性と通話品質はカナル型に劣る。この2点を必要とする場面があるなら、用途で使い分けるのが現実的だ。僕も通話が多い日はカナル型に持ち替えている。


【いま買うなら後継機のClip 2】

執筆時点では、後継のEarFun Clip 2が発売されている。僕が現在使っているのもこちらだ。

主な違いを挙げておく。

  • ドライバーが10.8mmから12mmチタンコーティング振動板に変更
  • マイクが2基から4基に増加
  • ワイヤレス充電に対応
  • デュアル磁気回路構造を採用

注目すべきはマイクの増加だ。この記事で最大の弱点として挙げた通話品質に、メーカー自身が手を入れてきたことになる。

Clip 2の使用感については、別途まとめる予定だ。初代Clipで気になった点がどこまで解消されているのか、そこを軸に書くつもりでいる。

初代Clipがまだ流通していて価格が下がっているなら、音楽用途に限れば選ぶ価値はある。ただし通話も想定するなら、素直にClip 2を選んだほうがいい。


【まとめ:買うべき人・避けるべき人】

買うべき人

  • カナル型で耳が痛くなる、蒸れる
  • 骨伝導の振動が苦手
  • 在宅ワークや家事で長時間つけっぱなしにしたい
  • 外音を聞きながら音楽を聴きたい
  • 1万円以下でLDAC対応の製品を探している
  • 外したらケースに戻す習慣がある

避けるべき人

  • 外出先での通話が多い
  • 重低音を重視する
  • 静かな環境で使うことが多い(音漏れ)
  • ものをなくしやすい自覚がある
  • 遮音性を求めている

装着感については、期待どおりだった。一日中つけていても耳が痛くならないというのは、それだけで買う理由になる。カナル型で消耗していた人ほど、この解放感は効くと思う。

一方で、通話は割り切りが必要だ。静かな部屋でのオンライン会議なら実用範囲だが、外に持ち出すと厳しい。ここを理解せずに買うと、確実に不満が出る。

そして紛失。軽さゆえに落ちても気づかないという、この構造特有のリスクは頭に入れておいてほしい。僕は片方を失って買い替えることになった。

それでもイヤーカフ型に戻ってきているのだから、快適さの価値は本物だ。使い方を選べば、これ以上ないほど楽なイヤホンだと思う。


※本記事に記載のスペックは執筆時点でメーカーが公表している情報に基づいています。仕様や価格は変更される場合がありますので、購入前に公式サイトおよび販売ページの最新情報をご確認ください。

※装着感、音質、通話品質に関する記述は僕個人の使用環境における感想です。耳の形や使用環境によって感じ方は異なります。

※再生時間は使用状況や音量、接続機器によって変動します。記載の数値はメーカー公表の目安です。

※片耳のみの購入可否や交換対応については、販売時期や販売店により異なります。詳細はメーカーまたは購入店へお問い合わせください。

※価格は販売店や時期によって変動します。

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※本記事の作成にあたっては、生成AIを補助的に使用しています。掲載内容については執筆者が確認していますが、お気づきの点があればお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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